パミール屋根、見た目は普通の屋根と変わらないのに、実は特殊な性質を持っています。
築年数が経つと、思わぬ劣化症状が現れ、困ってしまうケースがあります。
今回は、パミール屋根の見分け方について、劣化症状の段階や他の屋根材との違い、そして適切なメンテナンス方法を解説します。
パミール屋根の見分け方 劣化症状から判断
初期症状 層間剥離とは
パミール屋根の初期症状は、層間剥離(そうかんはくり)です。
これは、屋根材を構成するセメント層が剥がれ始める現象で、まるでミルフィーユのように層状に剥がれていくのが特徴です。
一見すると小さなひび割れに見えることもありますが、放置すると症状は徐々に悪化していきます。
初期段階では、屋根材の表面にわずかなめくれや白っぽさが現れることもあります。
中期症状 基材露出と危険性
層間剥離が進行すると、セメントの基材が露出してきます。
グレー色の基材が露出している状態は、屋根材の強度が低下していることを示しており、危険な状態です。
この段階では、屋根材の破片が落下する可能性も出てきます。
後期症状 屋根全体への拡大とリフォームの必要性
層間剥離が屋根全体に広がると、屋根材のほとんどが基材を露出した状態になり、雨漏りなどの深刻な被害につながる可能性が高くなります。
この段階では、屋根のリフォームが不可欠です。
放置すると、屋根全体の交換が必要になるケースもあります。
パミール屋根と他の屋根材の違いを確認
コロニアルNEOとの比較
パミールとよく似た屋根材に、コロニアルNEOがあります。
どちらもノンアスベストのスレート屋根ですが、屋根材の先端の形状に違いがあります。
パミールは先端の凸凹の幅が均一であるのに対し、コロニアルNEOは端の方が中心より幅が狭いのが特徴です。
また、コロニアルNEOはパミールよりも割れやすい傾向があります。
パミール屋根の特有の形状特徴
パミール屋根は、先端の凹凸が等間隔で、薄く縦のラインが入っているのが特徴です。
ただし、劣化が進行するとこの特徴が分かりにくくなる場合もあります。
建築図面に記載されている建材名を確認することで、パミールかどうかを判断できることもあります。
メンテナンス方法の選択肢 カバー工法と葺き替え
パミール屋根のメンテナンスは、塗装では効果がありません。
そのため、カバー工法か葺き替え工事を検討する必要があります。
カバー工法は既存の屋根の上に新しい屋根材をかぶせる方法で、費用を抑えられるメリットがあります。
一方、葺き替え工事は既存の屋根を撤去して新しい屋根材に交換する方法で、雨漏りなどの問題がある場合に適しています。
どちらの方法を選択するかは、屋根の劣化状況を専門業者に点検してもらうことが重要です。
まとめ
パミール屋根は、層状に剥がれるという独特の劣化症状が特徴です。
初期症状は小さなめくれや白っぽさですが、放置すると基材が露出して危険な状態になります。
最終的には屋根全体が劣化し、リフォームが必要となる可能性があります。
パミール屋根かどうかは、屋根材の先端の形状や劣化状況から判断できます。
メンテナンスは塗装では効果がなく、カバー工法か葺き替え工事が必要となります。
早めの点検と適切なメンテナンスで、住宅を長持ちさせましょう。